Drone
ドローン – どこからやってきたか

“雄蜂”に由来するドローン(英名:Drone)は突如として私達の生活に現れました。
もともとは軍事技術でUAV(英名:Unmanned aerial vehicle)と称され、すでに技術的には確立されていましたが、特に小型の機体をドローンと呼ぶようになったのはここ2、3年です。言葉としては「マルチコプター」と表現することもあり、これは複数のプロペラを持つという構造に由来する呼び名です。写真の機体だと「マルチコプター型ドローン」と表現するのが丁寧でしょう。
地形にとらわれずに移動できることはモビリティにとっては大きな意味があります。「野を超え、川を超え、山越え」と昔話のようなくだりですが、それをコンパクトかつ低コストで実現できるのがドローンです。

Role
役割 – 空の革命児か、はたまた生活の侵略者か

大空を自由に飛ぶことでさまざまな制約から解き放たれました。
人の手が届かない領域への立ち入り、人が近づけなかったアングルからの絶景を撮影、人の代わりに物資を届ける。人口減少を迎える日本にとっては活用の道は多岐にわたります。しかし、道具というのは使う人により、薬にも毒にもなります。アルフレッド・ノーベル博士(ニトログリセリンを使った油状火薬、いわゆるダイナマイトの発明者で、ノーベル賞創設者)も自身の発明が、戦争に利用されるとは発明時に思わなかったことでしょう。
今、ドローンは明るいニュースと困ったニュースが世界中を賑わせています。国内では首相官邸に落ちた(降りた?)事件や、盗撮等によるプライバシーの懸念があります。当面はモラルとルールの間で社会とすりあわせながらポジションを作っていくことになるでしょう。

Potential
可能性 – 空のようにどこまでも

人が負えないリスクを負える。これはロボットの特徴のひとつです。
立ち入り禁止区域での調査は最たるものでしょう。新しい空のインフラと考えれば物流面で期待ができ、現にアマゾンやスイス国営郵便局はテストをしています。ロボットアクションが加われば、高い場所や危険な場所での作業もできます。
新しい技術は時に社会と摩擦を生みますが、私達の暮らしやビジネスに役立つドローンが今、求められています。