レポート2018.10.31

【レポート】今年もやっています、猿の追い払い


昨年に引き続き、スピーカーを搭載したドローンによる猿の追い払いを美濃加茂市三和地区にて実施しています。




実施概要




ドローンによる猿の追い払い
ドローンによる猿の追い払い(筆者撮影)




昨年度から始まった本事業はドローンを使った猿の追い払いが狙いです。「予防」「防護」「駆除」の活動のうち「防護」に分類されます




農作物を食い荒らす猿を追い払うために、猿が嫌がることを音を流すスピーカーを搭載したドローンを使い追い払い効果を狙います。しかしながら、猿は知能が高いため、音だけでは慣れてしまう可能性があります。そこで音と威嚇行為を合わせることで音がすると「攻撃される」という刷り込みを狙い猿の忌避行動を促します。美濃加茂市ではこれを「ぱぶろふの猿」作戦として昨年度より展開しています。




職員自ら操縦




ドローンによる猿の追い払い
職員による操縦(筆者撮影)




使用しているドローンはスピーカーを取りつけるために特別に用意した機体です。美濃加茂市においては通常においてもドローンを職員が操作しているためこうした活動を職員自ら行うことができます。使用しているドローンは職員が普段使っているドローンに操作性を近づけることで運用のしやすさを考慮しています。弊社は本事業に対してドローンの貸与だけでなく、課題設定、検証、効果算定を行い、獣害対策におけるドローンの役割いついて報告をまとめます。




猛暑と柿の不良により出没は減少気味




(筆者撮影)
道路を歩く猿(筆者撮影)




気になる効果は、出没エリアの遷移や出現回数の減少は見られますが、動物の生態行動のため原因は複数考えられます。特に今年は猛暑による作物の生育不良、この時期にエサとなる柿の現象、近隣で行われている道路改良工事もあり、要因はいくつか考えられてます。




地元の意識は向上




ドローンによる猿の追い払い
猟友会の見回り(筆者撮影)




しかしながら、行政が動き現場を作っていくことで、地元も意識が向上し、猟友会の見回りや花火を使った追い払い等、ドローン以外の追い払い活動も動き、地域として「猿を追い払う」という気持ちが醸成されていることは収穫であると考えます。こうした活動はそこに住む地域住民の活動がベースとなり継続されることが望ましいためです。




職業見学で中学生も現地入り




ドローンによる猿の追い払い
追い払いに使う花火の撮影(筆者撮影)




先日は美濃加茂市西中学校の生徒が職業見学の一環で現地を見学されました。市の仕事の現場をいくつか訪問する中での、ドローン見学だったようです。テクノロジーが変わると、消える仕事や生まれる仕事が話題になりますが、ドローンはテクノロジーにより生まれた仕事で、それが行政の現場でも使われは始めていることを学ばれたようです。




ドローンによる猿の追い払い
関係者で集合写真(筆者撮影)