レポート2022.03.15

【実験】ドローン用パラシュート使える?使えない?


ドローン用の安全装置として以前から存在していた「パラシュート」ですが、なかなか実例として使われているケースを聞くことがないので、市販の比較的安価な製品を実際に試してみました

目次【本記事の内容】



市販されているパラシュートはある?


市販されてないと取り付けることもできませんよね。ネットで検索してみたところいくつかヒットしました。

日本化薬株式会社「パラセーフ」


メイドインジャパンの安心感を前面に出している商品です。対象が25kg以下のようですが、写真を見る限りそこそこのサイズなので取り付けるドローンは選びそうですね。取付スペースもいるので、製作時点から考えておく必要がありそうです。お値段は非公開のようです。


ParaZero

こちらは海外製品ですが、国内では「TOHASEN Robotics」でお取り扱いがあるようです。
公式動画を見るとコンパクトでDJI製品にも取り付けができそうです。

動画で使っているのがMavic2Proのようなので、最近売れているAir2は無理かもしれませんね。FPVも難しそうです。
調べたら重さ165gなので、ペイロードに余裕が必要ですね。なお、お値段は4万円くらいのようです。
デザインはスタイリッシュなので、Matriceなら似合いそうですね!

Manti2



今回の実験で使うのがこちらです。ヤフーショッピングで購入しました。お値段12000円。
お値段も手ごろですし、サイズも良さそうです。
こちらは公式よりもユーチューバー「Kawai Koji」さんの動画の方が分かりやすいですね


川井さんもこの時はテストまでは至らなかったそうです


Manti2が届いた

かなり小さくて軽い

単体で46gのパラシュート
単体で46gのパラシュート


思った以上に軽いことと、質感がかなりDJI MAVICを意識していますね。これなら乗せる機体の幅も広がりそうです。軽くて大きい、重くて小さいだといくら価格が安くても使えませんからね。価格として機体の10%程度なら保険としても考えられる金額だと思います。ペイロードに余裕がないと「改造」扱いになるので申請時はご注意ください。(ファントム4で100g程度の余裕があります)

typeC端子が電源!?

TypeCがまさかのスイッチ
TypeCがまさかのスイッチ

このManti2で驚いたのが、「電源ボタン」らしきものがないことです。どうもこのtypeC端子がスイッチも兼ねているようで、短く押したり、長く押したりで反応するようです。いろんなガジェットを触りますけど、初めてで新鮮です。でも、これがスイッチになるなら構成としてもコンパクトになるので今後、普及するかもしれませんね。

とりあえず落下させよう

ちゃんと開いた

テストは農家さんにご協力いただき、ほ場をお借りしました。できるだけ、電線からも離れていそうな場所を選びました。
結論をいうと、「開いて」「ゆっくり降下」しました!動くし効果はありそうです!


ダメージ90%カット?

映像からの推定ですが、パラシュートを使うと衝突エネルギー(運動エネルギー)が90%近く低減されることになります。

開く直前の落下速度:時速120キロ
開傘後:時速20キロ
(いずれも推定)
パラシュート効果抜群です

誤差があるので少なく見積もっても7割くらいは効果がありそうです

落下地点が土だったのでダメージはほとんどありませんでした。
時速20キロというと、高さ2.0mくらいから自由落下させたのと同じです。当たり所がいいと壊れないかも?というイメージでしょうか

まとめ


実は2回テストしているのですが、2回目はパラシュートのひもがプロペラに絡まってしまい、そのまま落下しました!動画がうまくとれていなくて、残念です。落下したときの角度でパラシュートの開き方に影響がありそうです。今回は高度60mからの落下で開いたときの高さがおそらく20mくらいなので、低い高度での運用には効果がないかもしれません。なので、少なくとも

・高度60m以上
は必須で、しかも

・機体の角度によっては失敗

もあるので、Manti2については「開けばラッキー」というのが適度な期待値になりそうです。
以上、実験レポートでした。