【レポート】ドローン×林業 架線におけるドローンの役割検証
架線集材におけるドローンの役割
弊社ではこれまで林業の架線集材における現場でドローンの活用を促すために汎用型投下装置「飛来君」を開発し、林業事業者へ提供してきました。これまで、人手で行っていたリードロープの運搬をドローンで代替することで、作業時間の短縮、労働負担の軽減を期待できるようになりました。
しかしながら、リードロープの設置においてドローンの役割は「一部」であるため、今回はリードロープ設置作業を一連の流れして実施することで
・ドローンを使うために必要な作業環境
・運搬方法が異なることによるオペレーションの変更
をテーマに、岐阜県森林文化アカデミーの杉本先生、岐阜県森林研究所古川所長と共に郡上市内において検証を行いました。
検証環境
気象条件
天候:晴れ
気温:25℃
風速:0~3m/s
場所:郡上市明宝
ケーブル素材:バインダーロープ
ドローン:DJI製インスパイア1
その他:アカデミー特製巻取り機
気象条件としては比較的穏やかな環境となり、陸上競技で表現するな「追い風参考記録」になります。
作業内容
先柱に滑車を用意して、そこへ2回に分けてリードケーブルを運搬しました。リードケーブルを付けた滑車を運べば早いように思われますが、早いです。手に入りやすい市販のドローンでは荷が重いため、検証を行っていません。
ドローンの他にリードケーブルを巻き取るためにエンジン付き装置(アカデミー特製)が持ち込まれ、どの程度、省力化できるのか使い勝手も含めて実地検証となりました。
より実践的な活用を目指して
今回の検証結果の成果を含めて、11月に林業現場での具体的な活用を主軸にした研修会を開催します。ぜひ、ご参加ください。
弊社と森林文化アカデミーとの共催になります
開催日:11月13日(月)13:00~
場所:森林文化アカデミー テクニカルセンター
アジェンダ:ドローンを活用したリードロープ架設、林業における効果的な映像記録、空中写真からの立体データ制作
いずれも技術の紹介に留まらない、実践を踏まえた具体的な操作方法まで紹介します。
詳細については近日中に森林文化アカデミーの公式サイトに掲載されます
どんな分野でもそうですが、ドローンで全て解決できるケースは稀で、「道具」として現場に最適化できるかが問われています。林業においても例外ではなく、有効に使うための「場作り」が必要となります。今回であれば、「架線をドローンで張る」ということは事例も現場ノウハウも少なく、それであるが故に活用も進みません。一次産業の現場においてはドローンのようなロボットは是非とも「道具」として活用していただきたいので、今後も、新しい活用を探してまいります。
ドローンの活用を希望される事業者、自治体の方はお気軽にご相談ください