【林業×ドローン】関心は高くも活用するユーザーはまだ少ない
2018年8月10日(金)、弊社は岐阜県森林文化アカデミー(以下「アカデミー」)と共催で林業従事者向けのドローン活用セミナーを開催しました。これは日頃、弊社とアカデミーが行っている実証実験の成果や課題を公開することで活用を促し、林業の進行に役立てることを目的とし、過去にも開催してきました。
当日は林業関係者20名ほどが集まり、弊社代表の櫻井がドローンの基礎的な知識とアカデミーとの実証実験の様子や方法を紹介しました。
林業での活用を阻む課題とは
建設事業における測量や、農業における薬剤散布は眼を見張るほどの作業効率をユーザーに提供し確実に浸透しています。しかしながら、林業においてはまだまだドローンの活用は限定的です。
その理由として、林業の現場が「周囲を木に囲まれ」、「地表面に起伏が多い」環境であり、ドローンの利用に空間的な制約があることが挙げられます。木が切り開かれていない場所では、どうしてもドローンを操縦する難易度が上がります。また、山林部では高低差も大きく、現場でドローンを活用するためには、相応の知識や操縦スキルを要します。
それでも、現場の省力化、データの有効活用を知りたいという現場の声を受け、セミナーでは最近のニュースを交えながら、林業でドローンを活用するためのノウハウについて具体的に紹介しました。実際フェイス・トゥ・フェイスでコミュニケーションを取ることで、普段の疑問、セミナー聞いての気付き等が声としてあがり、それが技術革新のきっかけになっていきます。
林業におけるドローンの具体的な活用
現時点では限定的ですがいくつかご紹介します
上空からの撮影による現況把握
ドローンの活用における基礎中の基礎とも言える「撮影」です。山林内においては人が山頂方向を見上げる事が多く、撮影による記録も必然的に下からの構図になります。それでは近視眼的な情報になってしまうのですが、では上空からとなる従来は航空写真でした。広範な撮影が可能で大規模調査には向いていますが、事業体が年度計画や作業記録を残すことを考えると現実的ではありません。ドローンであれば上空から俯瞰しながら、スポット的に撮影ができるためとても便利です。近年はGoogle Mapも更新頻度が上がっていますが都市部に限った話で地方部においてはほとんど更新されません。これだけをみてもドローンを活用する価値は十分にあります。
地形の3次元データ化
ドローンで撮影した画像・映像を元に、三次元データを作ることが可能です。従来から写真測量として行われてきましたが、ドローンの高性能化に伴い手軽なものになってきました。セミナー当日には、具体的な三次元データの作成方法について解説しました。
「ドローンで三次元データを作成できる」ということは知っていても、「実際にデータを作成するためのソフトウェアは、どれ選べばいいかわからない」「計測にはどのような機体が最適なのか」と疑問を感じている方が多いのが現状です。それらの疑問に答えながら、実際にかかる費用や時間などを具体的に紹介しました。
ドローンを使った架線
弊社が力を入れている分野ですが、ドローンによるリードケーブルの架線です。架線集材の詳細について詳しくは説明しませんが、準備段階においてリードケーブルの運搬は作業負担が一定量あり、ここをドローンで解決できれば現場の作業負荷の低減(今なら生産性の向上でしょうか)を実現できます。これは専用のドローンではなく民生品のドローンにアタッチメントを取り付けることで、どのドローンでも実現可能です。
行政関係者のみなさまへ
弊社ではドローンを各分野に活用するための講習会や施策提案を行っております。地域や業界の課題解決及び現場の省力化にドローンをご検討であればご相談ください。現状をお聞きした上で、アドバイスやご提案をさせていただきます。